イタリア北部の中心都市・ミラノは、ファッションとデザインの最先端を行く街。
世界的に有名なドゥオーモ大聖堂やスフォルツェスコ城、ガッレリアなど、見どころがコンパクトにまとまっており、1日でも効率よく観光できるのが魅力です。
ショッピングを楽しみたい人、美術館や歴史建築を巡りたい人、夜の街を散策したい人──それぞれのスタイルに合わせて過ごせる懐の深さもミラノの魅力。
さらに、日帰りで行けるコモ湖やアルファロメオ博物館などの近郊スポットも充実しています。
この記事では、初めての旅行でも安心して楽しめるよう、定番観光地から穴場スポット、1日モデルコース、アクセス情報まで詳しく紹介します。
限られた時間でもミラノを満喫できる、充実の観光ガイドです。
はじめに:ミラノは“見る街”ではなく“感じる街”
イタリア北部の中心都市ミラノは、ファッション・デザイン・芸術・グルメが融合する大人の街。
ローマやフィレンツェのような古都とは違い、現代的な建築と歴史的建造物が共存しています。
1日観光でも十分楽しめますが、夜のイルミネーションや近郊への小旅行など、時間を取れば取るほど深く味わえる魅力があります。

マルペンサ空港からミラノ市内へのアクセス
ミラノの玄関口「マルペンサ空港(Malpensa Aeroporto)」は、市内中心部から約50km北西に位置する国際空港。
日本からの直行便やヨーロッパ主要都市からの便も多く、ミラノ旅行のスタート地点になります。
空港から市内までは、主に 電車・バス・タクシー・送迎サービス の4つの方法があります。
マルペンサ・エクスプレス(Malpensa Express)
最も便利で利用者が多いのが、マルペンサ・エクスプレス。
空港からミラノ中央駅(Milano Centrale)までは約50分、料金は片道13ユーロ前後。
20〜30分おきに運行しており、早朝・深夜便にも対応しています。
車内は清潔で広く、スーツケース置き場も完備。観光客でも安心して利用できます。
「Malpensa Express」という特急列車路線で、ミラノ・マルペンサ空港(Malpensa T1/T2)から ミラノ中央駅(Milano Centrale)まで直通アクセスが可能です。
主なルートとポイント:
- 出発地:マルペンサ空港ターミナル1(T1)またはターミナル2(T2)
- 到着地:ミラノ中央駅(Milano Centrale)
- 所要時間:約 50〜51 分
- 料金目安:片道 約 €13〜15
- 運行間隔:おおよそ 30分に1本以上の頻度(早朝〜深夜)
空港シャトルバス
複数の会社が運行しており、中央駅まで約1時間。料金は片道10ユーロほど。
電車より安く、便も多いため、グループ旅行や荷物が多い場合に便利です。
チケットは空港ロビーやバス乗り場で購入可能。
タクシー・送迎サービス
ドアツードアで移動したい人にはタクシーや専用送迎サービスもおすすめ。
市内中心部までの定額料金は約110ユーロ前後。
複数人で利用する場合や、ホテルが駅から離れている場合に便利です。
💡【豆知識】
もう一つの空港「リナーテ空港(Linate)」は市内に近く、車で20分ほど。
フライトによって使い分けると、スムーズな旅の計画が立てられます。
ミラノ観光おすすめスポット【定番編】
ドゥオーモ(Duomo di Milano)
ミラノ観光で最も有名なスポットといえば、街の中心にそびえる大聖堂「ドゥオーモ」。
完成までに約600年を要した壮麗なゴシック建築で、外観の繊細な彫刻は圧巻です。
屋上テラスからはミラノの街並みを360度一望でき、晴れた日にはアルプス山脈も望めます。
朝の時間帯は観光客が少なく、写真撮影にも最適。夜はライトアップされ幻想的な雰囲気に包まれます。
(入場料:屋上込みで約€15〜20)
ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世
ドゥオーモの隣にあるアーケード「ガッレリア・ヴィットリオ・エマヌエーレ2世」は、
ヨーロッパ最古級のショッピングモールとして知られています。
美しいガラス天井の下に高級ブランドショップや老舗カフェが並び、
「ミラノのリビングルーム」とも呼ばれる優雅な雰囲気。
床の“幸運の牛”のモザイクをかかとで一回転すると幸運が訪れるという言い伝えも人気です。
ショッピングやエスプレッソを楽しみながら、ミラノらしい時間を過ごせます。

スフォルツァ城(Castello Sforzesco)
15世紀に築かれたスフォルツァ城は、ルネサンス期の名門スフォルツァ家の居城。
現在は美術館・博物館として公開されており、ミケランジェロの未完の傑作「ロンダニーニのピエタ」も展示されています。
城の周囲には広大なセンピオーネ公園が広がり、地元の人々の憩いの場としても人気。
歴史と自然が調和する空間で、のんびり散歩を楽しむのもおすすめです。
ミラノを効率よく回るならトラムを活用しよう
ミラノの観光を効率よく楽しむなら、街を走る「トラム(Tram)」の利用がおすすめです。
市内には古い木製車両から最新型まで、15路線以上のトラムが走っており、主要観光地の多くをカバーしています。
中でも観光客に人気なのが「1番トラム」。ドゥオーモからスフォルツァ城、ブレラ地区、ナヴィリオ運河エリアなど、主要スポットをぐるりと巡るルートで、移動しながら街並みを楽しむことができます。
車窓から見えるミラノの街は、徒歩とはまた違う表情。
カラフルな建物や地元の人々の生活風景を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。
レトロな車両は「動く観光名所」として人気が高く、車内の木製ベンチや真鍮の手すりなど、クラシックな雰囲気が旅情を盛り上げます。
料金は一回乗車€2.20(90分有効)。
1日乗り放題券(€7.60)や3日券(€13)もあるため、複数の観光地を回るならお得です。
券売機や地下鉄駅、タバッキ(キオスク)で購入できます。
トラムの車内アナウンスはイタリア語ですが、Googleマップで経路を確認すれば簡単。
慣れれば移動もスムーズで、まるでミラネーゼ(ミラノっ子)気分で街を楽しめます。

ミラノ観光の穴場&夜のおすすめ
夜のブレラ地区(Brera)
アートギャラリーやおしゃれなレストランが並ぶブレラ地区は、ミラノの夜を楽しむのにぴったり。
石畳の路地に灯る街灯がロマンチックで、地元の人々がワイン片手に語らう姿も見られます。
「オステリア・デル・ビニョーロ」など、地元客が通う小さな店でリゾット・アッラ・ミラネーゼを味わうのもおすすめ。
ナヴィリオ地区の運河沿い
夜の散策ならナヴィリオ地区。運河沿いにカフェやバーが並び、アペリティーボ(食前酒)文化を体験できます。
夏には夕暮れのテラス席でスプリッツを楽しみながら、イタリアの夜を満喫しましょう。

ミラノ観光1日モデルコース
ミラノは見どころがコンパクトにまとまっており、1日でも十分に充実した観光が可能な街。
地下鉄やトラムを上手に使えば、「芸術・歴史・ショッピング・グルメ」を一日で堪能できます。
ここでは、初めてミラノを訪れる方におすすめの“王道1日プラン”を紹介します。
🕘 午前|ドゥオーモとガレリアでミラノの中心を歩く
まずは朝一番にドゥオーモ(Duomo di Milano)へ。
世界最大級のゴシック建築で、屋上テラスに上がればミラノ市街を一望できます。
午前中の早い時間帯は比較的空いており、光が白い大理石を美しく照らします。
チケットはオンライン予約がおすすめです。
ドゥオーモ見学の後は、すぐ隣のヴィットーリオ・エマヌエーレ2世のガレリア(Galleria Vittorio Emanuele II)へ。
19世紀の壮麗なアーケードには、プラダ本店や高級カフェ「カンパリーノ」などが並びます。
ミラノっ子になった気分で、バールでエスプレッソを1杯どうぞ。
🕛 昼|スフォルツァ城とブレラ地区を散策
ランチは徒歩15分ほどのブレラ地区(Brera)へ。
石畳の路地と芸術的な雰囲気が漂うこのエリアには、おしゃれなレストランやトラットリアが多く、
「リゾット・アッラ・ミラネーゼ」や「コトレッタ・アッラ・ミラネーゼ」など地元料理が味わえます。
食後はスフォルツァ城(Castello Sforzesco)へ。
内部にはミケランジェロの未完の彫刻《ロンダニーニのピエタ》が展示され、
広い中庭は市民の憩いの場。隣接するセンピオーネ公園(Parco Sempione)でゆっくり散歩するのもおすすめです。
🕓 夕方〜夜|ナヴィリオ運河でアペリティーボを楽しむ
夕方は地下鉄でナヴィリオ地区(Navigli)へ移動。
かつてダ・ヴィンチが設計に関わった運河沿いには、
カフェやバー、アンティークショップが立ち並び、地元の人々で賑わいます。
イタリア流の夕暮れ時「アペリティーボ(食前酒タイム)」を体験してみましょう。
スプリッツやワインを注文すると、オリーブやブルスケッタなどの前菜がセットで付く店も多く、
軽い夕食としても十分満足できます。
夜の運河沿いはライトアップが美しく、写真映えも抜群。
おしゃれなバーで最後の一杯を楽しみながら、ミラノの夜を締めくくりましょう。
※体力に余裕があれば、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で「最後の晩餐」見学も追加可能(要予約)
🚶♀️ 1日観光まとめ
| 時間帯 | スポット | 所要時間の目安 |
|---|---|---|
| 午前 | ドゥオーモ・ガレリア散策 | 約2時間 |
| 昼 | ブレラ地区・スフォルツァ城 | 約3時間 |
| 夕方〜夜 | ナヴィリオ地区でアペリティーボ | 約2〜3時間 |
このルートなら、徒歩+地下鉄(メトロ)+トラムで効率よく移動でき、
ミラノの歴史・芸術・日常の暮らしを1日でバランス良く体験できます。
🧭 次におすすめ:
ミラノ近郊観光のおすすめ
日帰りまたは1泊で行ける人気の近郊スポットも充実。
- コモ湖(Lago di Como):ミラノ中央駅から電車で約1時間。美しい湖と山々に囲まれたリゾート地。
- ベルガモ(Bergamo):ケーブルカーで登る旧市街(チッタ・アルタ)が絶景。
- パヴィア(Pavia):中世の街並みと修道院(チェルトーザ)が有名。静かな雰囲気で穴場的存在。
アルファロメオ博物館(Museo Alfa Romeo)|ミラノ近郊の必見スポット
ミラノ中心部から北西へ約15km、アレーゼ(Arese)に位置する「アルファロメオ博物館(Museo Alfa Romeo)」は、アルフィスタ(Alfista)なら一度は訪れたい聖地。
1910年の創業から現在まで、イタリア車の美学と革新を象徴する名車がずらりと展示されています。
館内では、初代ジュリアやスパイダー・GTVなど往年の名車から、最新モデル、さらにはレースで活躍したマシンまでを一堂に鑑賞可能。
デザインやエンジン技術の変遷を間近で感じることができ、イタリア車ファンだけでなく、モータースポーツやデザインに興味がある人にもおすすめです。
博物館にはアルファロメオグッズを扱うショップやカフェも併設されており、ゆっくりと時間を過ごすことができます。
アクセスはミラノ中央駅から地下鉄M1線で「Rho-Fiera」駅下車後、バスまたはタクシーで約10分ほど。レンタカーを利用すれば、ドライブ気分で訪れるのも楽しいでしょう。
“走る芸術”と呼ばれるアルファロメオの世界を、五感で体感できるスポットです。
【合せて読みたい】アルファロメオ博物館ガイド|行き方・チケット・見どころ【Alfa Romeo Museum】
ミラノから足を延ばしたいおすすめ旅行先
トリノ(Torino)
車好きなら一度は訪れたいのが北西の都市トリノ。
ミラノから電車で約1時間、FIATの本拠地として知られる街です。
見どころは「トリノ自動車博物館(Museo dell’Automobile di Torino)」で、
クラシックカーからレーシングマシンまで、イタリア車の進化を間近で楽しめます。
歴史的建造物「パラッツォ・マダーマ」や、美しいポー川沿いの街並みも必見です。
ヴェネツィア(Venezia)
ミラノからユーロスター(高速列車)で約2時間半。
幻想的な水の都ヴェネツィアは、まるで映画の世界のような静寂に包まれています。
車の音が一切しない夜のサン・マルコ広場は、特にロマンチック。
ゴンドラに揺られながら運河を巡り、昼と夜で表情を変える街の魅力を堪能しましょう。
日本からミラノへのアクセス
日本からミラノまでは直行便があり、主要空港は「ミラノ・マルペンサ空港(MXP)」です。
- フライト時間:東京(羽田・成田)から約12〜13時間
- 主な航空会社:ITAエアウェイズ、ANA、エミレーツ航空など
- 空港から市内へは、マルペンサ・エクスプレス(電車)で約50分(€13)。
また、ローマやヴェネツィアからの鉄道アクセスも良く、イタロ(Italo)やフレッチャロッサ(Frecciarossa)で約2〜3時間で到着します。

ミラノ観光を楽しむコツ
- ベストシーズン:4〜6月、9〜10月(気候が穏やか)
- 日曜日は一部店舗・美術館が休みなので注意
- 治安は比較的良好ですが、スリ対策は必須(ドゥオーモ周辺など)
- Googleマップアプリに「お気に入りスポット」を登録しておくと効率的に回れます
まとめ
ミラノ観光は、1日でも、数日でも楽しめる懐の深い街。
ドゥオーモやガッレリアなどの王道スポットはもちろん、夜のブレラ地区やナヴィリオの運河沿いでは、
“地元の人の暮らし”に触れることができます。
時間に余裕があるなら、近郊のコモ湖やベルガモまで足を延ばすのもおすすめ。
あなたも、ミラノで“スタイリッシュなイタリアの時間”を体感してみてください。
