フィレンツェ・ピッティ宮殿&ボーボリ庭園ガイド|チケット予約・見どころ・アクセス完全版

ピッティ宮殿

アルノ川の南、オルトラルノ地区にそびえる「ピッティ宮殿(Palazzo Pitti)」は、
かつてメディチ家の邸宅として建てられた壮麗なルネサンス建築です。
現在は複数の美術館とギャラリーを併設し、内部は“もうひとつのウフィツィ”とも呼ばれるほど芸術作品が充実。
背後には広大な「ボーボリ庭園(Giardino di Boboli)」が広がり、
芸術と自然、建築が一体となった世界遺産級のエリアです。
この記事では、ピッティ宮殿の見どころ、チケット予約、所要時間、アクセス、周辺観光を詳しく紹介します。

目次

ピッティ宮殿とは?歴史と概要

メディチ家の権力の象徴

ピッティ宮殿は、1458年に商人ルカ・ピッティによって建設が始まり、後にメディチ家が買い取って増築した壮大な宮殿。
その後、トスカーナ大公国の公邸、さらにサヴォイア家による王宮としても使われました。

外観は質実剛健なルネサンス様式で、威厳ある石造りのファサードが特徴。
内部には約500年にわたる美術・工芸・生活文化のコレクションが展示され、
まさに「フィレンツェの王宮博物館」といえる存在です。

ピッティ美術館(Galleria Palatina)の見どころ

ピッティ宮殿

ルネサンスからロココまでの華麗なコレクション

ピッティ美術館(パラティーナ・ギャラリー)は、宮殿の1階部分に広がる豪華な絵画館。
メディチ家とロレーヌ家が収集した名画が500点以上展示されています。

代表作には、

  • ラファエロ「大公の聖母」「ヴェールの女」
  • ティツィアーノ「ラ・ベッラ」
  • ルーベンス「四大陸」
  • カラヴァッジョ「眠るキューピッド」

これらが黄金装飾の天井、クリスタルのシャンデリア、絢爛な壁画と共に展示されており、
ウフィツィ美術館とは異なる“王家のプライベート・コレクション”の雰囲気を味わえます。

各部屋は当時の間取りをそのままに、家具や調度品も残されているため、まるで17世紀の宮廷を歩くような感覚。

注目の展示エリア

  • 王宮の間(Appartamenti Reali):歴代トスカーナ大公の居室。
  • 銀器博物館(Museo degli Argenti):宝飾・陶器・金細工の芸術品。
  • 近代美術館(Galleria d’Arte Moderna):19〜20世紀のトスカーナ芸術。

ボーボリ庭園(Giardino di Boboli)の魅力

ピッティ宮殿の裏手に広がるボーボリ庭園は、16世紀に造園されたイタリア式庭園の原型とされる広大な庭園。
メディチ家のプライベートガーデンとして整備され、現在は市民にも開放されています。

ボーボリ庭園

見どころと散策ポイント

  • アモーレとプシュケ像(ジュコモ・ブロネッリ作)
  • ネプチューンの噴水(Fontana di Nettuno)
  • ヴィオットラ劇場(Teatro di Verzura):自然を利用した屋外劇場。
  • カッフェハウス(Kaffeehaus):バロック様式の小さな展望館。

庭園の丘を上ると、フィレンツェの街を一望でき、
ドゥオーモのクーポラとヴェッキオ宮殿が美しく並ぶ光景は必見。

所要時間

  • ピッティ宮殿+ボーボリ庭園あわせて約2.5〜3時間が目安。
  • 宮殿内:約1.5時間、庭園:約1〜1.5時間。

📸 写真撮影は可。晴れた日の午前が光が柔らかくおすすめ。

ピッティ宮殿・ボーボリ庭園のチケットと予約方法

チケットの種類(2025年時点)

種類内容料金
ピッティ宮殿+ボーボリ庭園共通券宮殿・美術館・庭園に入場可€16〜18
ピッティ宮殿のみ美術館エリア€10
ボーボリ庭園のみ庭園のみ見学€10

※18歳未満は無料、18〜25歳は2ユーロ。

オンライン予約サイト

予約のポイント

  • 公式サイトで事前予約すると待ち時間を大幅に短縮
  • チケットはウフィツィ美術館との共通券(€26〜)もあり、48時間以内なら両施設を見学可能。
  • 当日券もありますが、土日や祝日は入場制限される場合あり。

ピッティ宮殿への行き方

フィレンツェ・サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から徒歩

  • 距離:約1.4km
  • 所要時間:徒歩約20分
  • ルート:Via de’ Panzani → ポンテ・ヴェッキオを渡り → Via Guicciardiniを直進。
    右手に壮大な宮殿が現れます。

バスでのアクセス

  • バス番号:C4または11番(ATAF社)
  • 停留所:Piazza Pitti
  • 所要時間:約15分
  • 料金:€1.70(タバッキで購入)

観光ルートのおすすめ順

  1. ウフィツィ美術館 → ポンテ・ヴェッキオ → ピッティ宮殿
  2. 宮殿見学後にボーボリ庭園で休憩、アルノ川越しに街を一望。

ピッティ宮殿周辺のおすすめスポット

サントスピリト教会(Chiesa di Santo Spirito)

徒歩5分。フィレンツェ市民の生活感を感じられるローカルエリア。
ブルネレスキ設計の美しい内部と、広場のカフェが魅力。

ポンテ・ヴェッキオ(Ponte Vecchio)

徒歩7分。アルノ川を渡る中世の橋。金細工店が並び、夕暮れ時は絶好の撮影スポット。

カッシーネ公園(Parco delle Cascine)

徒歩20分。地元の人々の憩いの場で、朝のジョギングやマーケット散策にもおすすめ。

ピッティ宮殿・ボーボリ庭園の営業時間

  • 開館時間:8:15〜18:30(最終入場17:30)
  • 休館日:月曜日、1/1、12/25
  • 所要時間の目安:
     - 美術館:1.5時間
     - 庭園:1〜1.5時間

午前中は光が柔らかく、午後は庭園からドゥオーモの方向に夕日が見える絶好の時間帯。

訪問のコツとおすすめモデルコース

モデルコース(半日プラン)

  • 10:00 ピッティ宮殿入場(美術館見学)
  • 11:30 銀器博物館・王宮の間
  • 12:30 ボーボリ庭園で散歩&休憩
  • 14:00 サントスピリト広場でランチ

美術・建築・自然を半日で楽しめるルートとして、観光初日にも最適です。

🔗 関連リンク

🕊️ まとめ

ピッティ宮殿とボーボリ庭園は、メディチ家の美意識とフィレンツェ文化の粋を感じられる場所です。
豪華絢爛な宮殿と、光と風が調和する庭園を歩けば、
500年前の芸術家たちが愛した“ルネサンスの都”が蘇ります。

観光客の喧騒を離れ、ゆったりと芸術と自然を味わいたい人にこそおすすめ。
ピッティ宮殿で、あなた自身の“フィレンツェの一日”を完成させてください。

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この記事を書いた人

イタリア車と暮らし、イタリアで学んだ“美しい生き方”を伝える。イタリア車オーナー歴15年以上。
アルファロメオやフィアットなどのデザインと走りに魅了され、
日常の中で“イタリア流の情熱”を体感してきました。
内装メンテナンスや電装品補修など、DIY整備も自ら行う実践派。
イタリア・フィレンツェに3年間留学。
芸術・デザイン・食文化を学び、現地のライフスタイルを肌で吸収。情報サイト「SOLENTIA」の記事を執筆。
現地での経験と長年のオーナー視点をもとに、
“本場の美学とリアルなイタリアの空気”を伝えている。

SOLENTIAとは

SOLENTIA(ソレンティア)は、
イタリア語の「Sole(太陽)」と、
「Essentia(本質)」を組み合わせた造語です。

“太陽の本質”“光のエッセンス”という意味を込めて、
イタリアの情熱・温かさ・そして生きる歓びを象徴しています。

イタリア車に乗り、イタリア料理を味わい、
ときにはイタリアを旅する——
そんな“日本にいながらイタリアを生きる”ライフスタイルをテーマに、
SOLENTIAは、クルマ・美食・旅を通じて
日常に「イタリアの光」を届けるメディアです。

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